最古のガラス製造法【型押し法の原型】

もっとも古いとされるガラスの製造法は紀元前3000年頃のエジプト地方やメソポタミア地方で生まれたとされています。それはどのような方法かと言いますと、まず砂で型を作り、次にその型に高温で溶かしたガラスを流し込みます。そして最後にガラスを冷ます工程なのですが、急激にガラスを冷やしてしまうとガラス内部にひずみが生じて、それが原因でガラスが割れてしまうため、ゆっくりと時間をかけて冷ます必要がありました。こうして出来上がったガラスは、宝石のような装飾品や判子として使われました。

型押し法

同じくエジプト地方・メソポタミア地方で紀元前1500年頃に、砂型のガラス製造法を元にして発展したと思われる製造法が型押し法です。この方法の場合ですと型の素材が砂から粘土などに変わり、粘土で作った型にやはり高温で溶かした粘り気の強いガラス素地を押し付けて成形していました。この製造法によってガラス器の普及は進むのですが、一つ一つ型を作って成形するためこの時点での大量生産は不可能でした。したがって、それでもこうして出来たガラスはまだまだ非常に貴重なもので、主に装飾品として用いられていました。